新年あけましておめでとうございます。イタリアはまだ大晦日ですので今年の締めくくりに浅田選手が使用しているフリー曲”蝶々夫人”について書きたいと思います。

浅田真央選手 フリー使用曲 ”蝶々夫人”の音楽について

浅田真央選手、全日本選手権3位おめでとうございます!”フリーは今季1番良くできた” という浅田選手の言葉を聞けて嬉しかったです。今後4大陸選手権と世界選手権への派遣が決まったのでまた来年の試合が楽しみです。

動画は全日本選手権とジャパン・オープン時のものです。


”蝶々夫人”は作曲者であるプッチーニの名前を世界的にしたオペラです。日本では勿論海外でもかなりの人気を誇るオペラなので、今回浅田選手がこの曲を使用するのは海外のファンにとっても嬉しいことだと思います。

浅田選手は”蝶々夫人”の中でも1つのみの楽曲(アリア)”ある晴れた日に” を用いています。ジャパン・オープンで初めてこのプログラムを観たとき編曲に新鮮さを感じました。それはオペラのような長い作品を用いるとき、色々な場面の音楽をメドレーのように編曲して使用することが多いからです。

プッチーニのアリアの特徴として、ヴォーカルは歌というよりつぶやく感じで静かな音楽が、気持ちの高揚と共に美しいメロディーとオーケストラの盛り上がって締めくくります。このつぶやきのような部分では明確なメロディーがなくオーケストラの音も少ないので振りをつけるのは大変ではないかと思いました(音楽がないと観てる側も注意力散漫になってしまうので)。魅せるスケートが出来る浅田選手だからこそ出来る編曲だと感じました。

”ある晴れた日”はオペラ後半の出だしで歌われる曲です。蝶々さんはピンカートンと結婚しましたがピンカートンは日本での任務が終了したためアメリカへ帰国し、そのまま音信不通のまま3年が経過しました。それでもピンカートンが言った”コマドリが巣を作っているころには帰ってくる”の言葉を信じて健気に待ちます。

演技後半から始まるヴォーカル部分の歌詞を紹介します。引用元は”オペラ対訳プロジェクト”のサイトからです。

  線部のところがそのつぶやくような音楽の部分です。


ある晴れた日に、私たちは見るのよ
ひとすじの煙が昇るのを
水平線の彼方に
そして船が現れるの

ーカット部分ー

それは誰?それは誰?
ここに着いたら
何を言うの?何を言うの?
その人は遠くからバタフライって呼ぶわ
私は答えずに
隠れていましょう
ふざけてもいるけど…
お会いした喜びで死んでしまわないためでもあるのよ
あの方は少し心配して呼んで下さるわ
こう呼ぶの 「可愛い妻よ
バーベナの花の香りよ」って
これはあの人がやって来た時につけてくれた名前なの
きっとこうなるはずよ 約束するわ
だからあなたの心配事はしまっておいて
心から信じて 私はあの方を待ってるの


下から三行目の”きっとこうなるはずよ…”のところからステップシークエンスが始まります。そして最後の歌詞の”待ってるの”の部分が一番音楽が盛り上がるところですね。浅田選手のイーグルがとても感動的です。待ち焦がれる様子や蝶々夫人の内にこもった熱情なのが感じられて、とても美しい振付と浅田選手の表現だと思います。

ちなみにオペラではこの後、アメリカ領事館の大使が蝶々夫人の元にやって来てこう尋ねます。”もしピンカートンが戻ってこなければどうするのか?”と。すると蝶々夫人は”名誉のために死にます”と答えます。実は蝶々さんは嫁入りの時、両親から授かった自決のための短刀を嫁入り道具として持ってきています(そのシーンもオペラにあります)。蝶々さんにとっては日本人としての名誉もかけた命がけの恋愛だったんだろうと思います。夫であるピンカートンが帰ってくるのを待ちながらもその裏で死も覚悟していた蝶々夫人の心情が、浅田選手の表情や演技からも感じられる気がします。(一意見です。)

このアリア部分を全部聴きたい方、こちら下の動画をどうぞ!日本語訳された歌詞が画面に出てくるのでとても分かりやすいです。

プッチーニ 《蝶々夫人》 「ある晴れた日に」 マリア・カラス

スクリーンショット (144)

☆宇野昌磨選手のフリー曲”トゥーランドット”についてはこちらの記事です。


四大陸選手権でまた素晴らしい演技ができることを願っています。これからも応援しています!

年末年始はフィギュア三昧で過ごせそうです。この記事を持って今年を締めくくります。12月から始めたこのブログですが、沢山の方が読んでくださって嬉しいです。本当にありがとうございました。私自身が研究者を目指している影響か、文体が堅いかと思われますが、どうぞ良かったらお気軽にコメントください。日本人ファンの友人がいないので、ブログで交流できるのが楽しみです。どうぞ来年も宜しくお願いします。選手の皆さん方のように私も目標に向かって頑張りたいと思います!

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